「5」の中に見た光

 初回に野村祐輔が、まさかの5失点。一つのアウトを取るのに労苦し、結局49球という膨大な球数を投げ初回でノックアウト。慣れない北海道での試合、昨年も苦戦した日本ハムファイターズとの試合、この時点である程度勝負はあった。いくら逆転のカープを信じて応援する、といえども見ている方も、毎試合こういう展開になると、精神的にしんどくなるだろう。私は、一眠りすることに。起きてみると、菊地保則が清宮幸太郎を三振に斬っていた。大ピンチだったらしい。野村が降板した後に投げた島内が撒いた種であったが、島内颯太郎も好投をしていた。DH制で、ワンサイドゲームも十分に考えられる交流戦で投手が不足することもあるだろう。そこでパ・リーグを知る菊地保、若さ溢れる遠藤淳志や島内の存在が頼りになるはずだ。

 打撃面も、実に淡白な感じがしてならない。セ・リーグでいえば阪神の近本や糸井。パリーグでいえば、日本ハム中島卓也福岡ソフトバンクの打者の粘っこさが、投手を乱れさせる。しかし、カープは正直な打撃が目立ち、終盤も早打ちが目立った。負けていることからの焦りなのか、追い込まれると三振の確率が上がる、という心理なのか見当はつかないが、三球三振と初級ゴロを喫した安部友裕や5回で代えられたリードオフマン野間峻祥の打席を見ていると、役割を果たせていないような気がする。5回に代わって出場し、2打席目でツーベースを放った「5」長野久義。久々の出場で結果を残し、バティスタの一発を演出した。交流戦に弱い広島を救ってくれる予感がする。当然良くはないが、どうせ敗れるのならば、新たな変化を期待して、未来の勝利に繋がる試合を見たい。5回に作ったピンチを凌ぎ、背番号5の長野がチャンスメーク。最終的に5点で試合を終えた、と考える方が腹も立たまい。なんせ、宿敵・巨人も敗れ、後を追う阪神も勝ちをこぼしたことである。

 偉そうに書き連ねてしまい、申し訳ないが、カープの勝ちが週5の生活の中では、何よりの希望であり、活力なのだ。