迷いの春を超え逆襲の鯉 カープ巨人に快勝

もう、気分は夏だ。気温が30度近くまで上昇し、熱中症も懸念される今日この頃である。

 思えばまだ肌寒さがあった開幕当初、カープの出だしは最悪だった。投打が噛み合わない。守れない。正直、見ていてつらかった。迎えた今日の10連勝が心底嬉しい。投手の方から行くと、5回3失点の床田からレグナルト、アクシデントがあったが一岡、九里、フランスア、中崎で逃げ切った。7回、一岡が危険球退場になり、九里が緊急登板し、ワンアウトを取って坂本を迎える場面でフランスアを登板させた采配はカープに今まであまり見られなかった形で、かつて短期決戦で横浜やソフトバンクにやられてきたものではないだろうか。一岡が危険球を投じた際、中島がヒートアップし、赤とオレンジの両軍がグラウンドに入り乱れた。当然褒められることではないが、今まで山口に會澤が何回やられてきたか。もうこれ以上は言いません。

 打者に関しては、繋がりが非常によく、打ってほしい場面でクリンナップが得点を挙げ、機動力を存分に堪能できた。今日もホームランを放った4番の誠也、2ホーマー猛打賞の殊勲者バティスタはもちろん、私個人的に最終回の長野の安打に安堵した。チームの競争が激しいカープで中々出場機会を得られない中、代打での打席で簡単にアウトになることが多かったと感じた。慣れた東京ドームでのカープ初打席で久々の「らしい」ヒット。開幕前、あれだけ注目されて人間、普通でいられる人ばかりではないと思う。私自身、不本意な形で大学に入学して新たな環境に適応していくことの難しさを身に染みて感じるし、本来の自分の姿が分からなくなってくる日ばかり。週五回打席に立って、一回ある程度思い通りになれば良いほうだと思っている。選手たちと自分を重ねるのはおこがましいが、一打席一打席で結果が求められる状況でどんなことを思って過ごしているのか興味深い。

長野は暖かくなると調子を上げてくる、とよく言われているし、坂倉がこの日も安打し、存在感を示してきている。チームが勝てないとファンは余裕をもって色んな選手の台頭を見るのは難しいのではないだろうか。本当に勝利に越したことはない。

カープは10試合負けていない。その喜びを噛みしめ、不安と重圧の春から解き放たれ、新緑のグラウンドで躍動するカープの活躍を楽しみたい。