ACLのバカヤロウ・九里完封

 サンフレッチェ広島は、頻繁に微妙な判定(私は頑なに誤審と信じてやまない)に泣く。普段のリーグ戦でもそうであるが、ACLという大会ではとくにその印象が強い。微妙な判定を跳ね除けるチームとしての力不足は否めないが、毎度毎度の判定には、不満を抱いてしまう。もちろん、サンフレッチェ広島サポーターの中にも色々な人がおり、「誤審だと言うのは情けない」という敗戦を潔く認めるタイプや「ジャッジとしては正解」と審判を擁護するタイプ、「明らかな誤審だ」と根に持つタイプ。タイプは、プレーと判定によってよりけりであるし、場合場合で変わると思うし、正解もないと思っている。しかし、私は、元来、被害者意識が強く、どうも“広島に不利な判定ばかりされている”といつも思う。これはおかしいことなのであろうか。ACLでいえば、2014年のFCソウル戦での謎のPKと水本裕貴のレッドカード。今年で言えば、稲垣祥とGK中林洋次のレッドカード退場。稲垣に関しては、ファウルではあると判るが、カードの提示は酷すぎると思ったし、今日の中林のプレーにしても、イエローカードで済まぬものであったのか、という疑問を抱いた。そもそもサンフレッチェ広島というクラブは、Jリーグの中でもフェアプレー賞を多く獲得するクラブで、レッドカードにより退場者を出す試合は本当に僅かなのである。ACLになると途端に判定が厳しくなるのか?それは、許されるべきものなのか。今年のリーグ戦に関しては、横浜戦で、ゴール判定を審判が誤ってノーゴールとみなし、勝ち点を落とした。城福監督が審判団に激昂している様子ばかりが、目立つ。私達の愛する伝統ある紳士的なサンフレッチェ広島が、理不尽な判定に苛まされる姿に憤怒する私は、“疑惑の判定”を冷静に見ることができないのである。

  幸い、カープは勝利した。九里亜蓮が9回完封。素晴らしい内容と結果で文句なしである。これを継続することは難しいであろうが、ローテーションの一角に残るには、言わずもがな、必要不可欠である。一方、打線の湿り具合は、梅雨の訪れを予感させるもので、心配しているが、この勝利をきっかけに気楽に戦っていてほしい。カープが勝つとサンフレッチェは敗れ、サンフレッチェが勝つと、カープは敗れる、という迷信が、立証されつつある。両クラブ・チームの応援は、無機質で理不尽なジャッジへの挑戦であるとも思っている。